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2016年3月5日更新
石油連盟 〝石油の力。〞呼びかける 震災5年、災害対応シンポ開く
震災時の経験、反省、震災後の取り組みなどを話し合う

 石油連盟は2日、都内でシンポジウム「石油の力。」を開いた。東日本大震災を契機に始まり、今年が4回目。〝東日本大震災から5年を経て、あらためて考える社会インフラとしての石油〞をテーマに、被災地で「あって良かった」と評された石油、コンビニエンスストア、報道機関のパネリストが震災時の経験、反省、震災後の取り組みなどを話し合った。
 基調講演では、日本エネルギー経済研究所豊田正和理事長が〝激変するエネルギー情勢と日本の石油産業の発展の方向性〞をテーマに、五年間の世界のエネルギー情勢変化、〝3E+S〞(経済性、環境、安定供給および安全性)を柱とする日本のエネルギー政策、および石油の位置づけを説明。「石油は最大の一次エネルギーで利便性、災害対応性、高付加価値製品への変化力を持つ重要なエネルギー源。一方で中東依存度、価格の不確実性、CO2発生といった懸念点に対応しなければならない」と述べた。震災直後に使えたエネルギーは石油が52.3%、LPガス36.9%、電気23.5%、都市ガス9.4%との調査結果を示し、石油の災害対応力の強さを確認した。
 パネルディスカッションには、亀岡剛副会長・広報委員長(昭和シェル石油社長グループCEO)、吉田浩一ローソンコンプライアンス・リスク統括室長、武田真一河北新報社論説副委員長が参加した。
 亀岡氏は製油所・油槽所の強靱化対応、業界全体の情報システム構築、地方自治体との協定締結など、震災後の石油業界の取り組みを紹介。「震災時は業界側からの情報発信が上手くいかず、被災地ではない首都圏で給油待ちの大行列が発生した。確かな情報源を確保し、日頃から満タン給油を心がけ、いざという時に頼りになる地元SSをご利用いただきたい」と会場に呼びかけた。 
 吉田氏は、開発中の災害情報地図システムを紹介し、業界の垣根を超えた情報共有の重要性を強調。「自動化・効率化の進展が、災害対応を難しくした面もある。首都直下型が起きたらどうなるのか、なぜ買い占めが起きたのかを一人ひとりが考え、備えてほしい」と述べた。
 武田氏は被災地に寄り添い続ける立場から、震災後に始めたワークショップ〝むすび塾〞を通じて人と人、人と地域を結び、備えを広げる活動を説明した。「被災地は5年後の今も、震災の中を生きている。犠牲を無駄にせず、備えに取り組んでほしい」と訴えた。
 主催者としてあいさつした木村会長は「系統エネルギーが供給不能になった時から、石油は運搬能で災害対応力に優れた分散型エネルギーとして、国民生活を守る最後の砦の役割を果たした。
石油業界は製油所などの強靱化に取り組んできたが、消費者への供給を考えるうえでは、SSまでのサプライチェーン維持が必要」と、石油への理解を呼びかけた。
 藤井敏彦資源エネルギー庁資源・燃料部長は「東日本大震災では、石油の力に気づくと同時に、最後の砦が必ずしも盤石でなかったことも知った。長年にわたり、海外からの供給途絶には手を打ってきたが、災害時は国内で供給障害が起こる可能性もある」と話し、教訓に基づいたこの間の取り組みを説明した。


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