2025年11月20日更新
GI基金PJ地熱技術を追加 合成燃料、バイオ活用に切り替え 経産省
経済産業省は、グリーンイノベーション(GI)基金を活用したプロジェクトの対象に次世代型地熱技術の開発を新規追加する。石油元売が取り組んでいた合成燃料やグリーンアンモニア事業の計画見直しの報告事項も了承した。
日本は世界第3位の地熱ポテンシャルをもつ国で、地熱発電は次世代型地熱発電技術を中心に今後の市場拡大が期待されている。
次世代型地熱技術は従来型よりも深い場所の地熱資源の活用や、地下に水や割れ目がない地点で開発ができる特徴をもつ。GI基金を活用することで地熱発電容量の拡大に向けた研究開発・実証に取り組む方針だ。
合成燃料の開発プロジェクトについては、産構審ワーキンググループ(WG)でENEOSの申し出を受けて中止を決めたことが報告された。
CO₂(二酸化炭素)と再生可能エネルギー由来水素を原料とする合成燃料の製造技術開発を進める事業で、建設市況高騰などにともない300㌭/日のパイロットプラントの建設・試験の中止を議決した。経済性観点から再生可能エネルギー由来水素の代替としてバイオ資源を活用した合成燃料の開発に切り替えてGI基金外で実施する。
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2025年11月19日更新
INPEX1~9月 最終益1.4%増2934億円 原油安も過去最高益
INPEXが発表した2025年12月期第3四半期(1〜9月)の当期利益(国際会計基準)は、前年同期比1・4%増の2934億1000万円だった。第3四半期として過去最高益を計上した。原油安による販売単価下落で売上収益が減少したが、減収減益にともなう法人税負担の減少などで増益につながった。
売上収益は13・0%減の1兆5206億4700万円。営業利益は14・3%減の8729億4300万円、税引前四半期利益は13・0%減の9118億4300万円だった。
山田大介取締役専務執行役員財務・経理本部長は13日の決算会見で、原油安・円高ドル安に触れ「昨年よりも外部環境はよくなかった」と指摘。一方で最終益で増益を確保したことについて「法人税も含めてコントロールしていくのが経理の方針」と語った。
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2025年11月18日更新
コスモ JR西日本に次世代BDF供給 営業列車運行国内初
コスモ石油マーケティングは西日本旅客鉄道(JR西日本)のディーゼル鉄道車両向けに、100%次世代バイオディーゼル燃料の供給を行った。同燃料による営業列車の運行は国内初で、当該列車のCO₂(二酸化炭素)排出量は実質ゼロになる。
供給したのは、廃食用油や微細藻類などの食料と競合しないバイオマスを原料に製造したバイオ燃料。コスモ石油の海外子会社、コスモ・オイル・インターナショナル(本社シンガポール)が海外サプライヤーとの連携により、調達や品質管理、安定供給に向けた体制を構築してきた。
軽油と同じ炭化水素構造で、既存ディーゼルエンジンの燃料として代替できる。JR西日本によると運行するのは岡山エリアで、今回の取り組みによる導入規模は全体で年間2100㌔㍑程度。約5500㌧のCO₂排出削減を見込む。